ドックフード選びについて、パート2です!
前回はドックフードの裏に書かれている原材料についてでしたが
今回はドックフードの成分についてです!
成分表もパッケージの裏面に掲載されていますので確認してみてください
このように表示されています。
↓
粗タンパク質 23%以上
粗脂肪 10%以上
粗繊維 5%以下
粗灰分 7%以下
水分 11%以下
カルシウム 1.2%以上
リン 1%以上
リノール酸 2%以上
オメガ6脂肪酸 2.5%以上
オメガ3脂肪酸 0.5%以上
これ見ても・・・よく分からないと思います^^;
まず、一番上のタンパクですが、タンパク質はわんちゃんの筋肉、骨、臓器、歯、爪、皮膚被毛などを作ります。
では、タンパク質がたくさん入っているフードがいいのか?というとそうではなく、その子の体格・年齢・活動量によって必要な摂取量が変わってきます。
粗タンパク18~23%(低タンパク)
メリット・・・痩せやすくなる、体臭が減る、目やに、涙やけ、便臭が減る、皮膚のべたつきやニオイの減少、臓器の負荷を減らし、シニア犬の健康維。体重オーバーでコントロールが必要なわんちゃんにはおすすめです!
デメリット・・・活動量の多いわんちゃんは、やせ細ったり、毛色の退色、皮膚のかさつき、骨密度の減少など、免疫力が落ちる可能性もあります。
粗タンパク28%~ (高タンパク)
メリット 活動的なわんちゃんや、子犬など骨や筋肉、皮膚、被毛が丈夫になる。子犬の体を作る時期には必要です。
デメリット運動量の少ないわんこの場合、未消化のタンパク質が体に残留し、涙やけ、目やに、体臭、便臭などがでて、肝臓と腎臓に負担をかけることに繋がります。ストルバイト尿石症(アミノ酸から転化した尿素の尿中排泄を増加させ、それがストルバイド尿石の形成を促進する)ストルバイド尿石症を発症する可能性が高まります。
運動量の多い活動的なわんちゃんには良いですが、室内犬で、運動量の少ないわんちゃんには注意が必要です!それぞの体格・活動量に合ったタンパク質の量を選びましょう。
室内で過ごす小型犬(約3㎏)高タンパクなフードは避けたいです。
活動量の多い中型犬には(体重は約14~20kg)しっかりタンパク質を与えたいですね!
次に粗脂肪です
10%以下は低脂質
メリット・・・肥満対策、臓器の負荷を減らす、脂漏気味の皮膚への対処
デメリット・・・フケ、皮膚の乾燥、赤血球の減少、発育障害
12%以上は高脂質
メリットは、脂肪や筋肉をつける、脂溶性ビタミンの吸収力向上、乾燥肌の皮膚の保護、血圧、体温の向上。
デメリットは、内臓へ負荷がかかる(おもに肝臓)肥満・消化吸収の妨げ、動脈硬化、心臓病、糖尿病。
脂肪も愛犬の状態に合わせて選ぶようにしましょう!
粗繊維
標準フードでは1~4%、体重管理用フードでは~15%くらいです。
繊維は、消化器官の働きを助ける作用があります。また腸内環境を整える善玉菌を活性化させます。大きく分けて「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があります。
繊維は、ドッグフードに使われる原料の多くに含まれており、主に穀物などから摂取することが出来ます。それとは別に、特定の繊維質源としてビートパルプやチコリ根などが使用されている場合があります。
粗灰分
灰分(かいぶん)とは、カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム等のミネラルの割合のことをいいます。原材料の灰分が高くなるとその原材料の消化率は低くなる傾向にあります。
※粗灰分・ミネラル・脂肪酸の含有量等については、下記のAAFCOの基準を参考にしてください。別の機会に深堀していきたいと思います。
※AAFCOとは米国飼料検査官協会のことであり、ペットフードのラベル表示基準や栄養基準などのガイドラインを制定している機関です。現在、AAFCOで定められた基準は、世界的な基準として認められており、日本のペットフード公正取引協議会の規約でも、AAFCOの栄養基準を採用しています。
しかし、「AAFCOなら安心!」と言う訳ではありません・・・
わんちゃんにとって好ましくない原料を使ってAAFCOの栄養基準をクリアしているフードメーカーも存在するからです。
AAFCOの栄養基準
AAFCOでは、子犬期(成長期用)と、成犬期(維持期)で必要な栄養素基準を設定しています。乾燥物質基準(DMB:水分を含まない状態)を基準としています。
※基準は改定される場合があります。
AFFCOの栄養基準値(DMB) 2016 ※フードの想定カロリー4000kcal ME/kg | |||
---|---|---|---|
栄養素 | 最低値 | 最高値 | |
成長期 | 維持期 | ||
粗タンパク質 | 22.5% | 18.0% | – |
アルギニン | 1.0% | 0.51% | – |
ヒスチジン | 0.44% | 0.19% | – |
イソロイシン | 0.71% | 0.38% | – |
ロイシン | 1.29% | 0.68% | – |
リジン | 0.90% | 0.63% | – |
メチオニン | 0.35% | 0.33% | – |
メチオニン・シスチン | 0.70% | 0.65% | – |
フェニルアラニン | 0.83% | 0.45% | – |
フェニルアラニン・チロシン | 1.30% | 0.74% | – |
トレオニン | 1.04% | 0.48% | – |
トリプトファン | 0.20% | 0.16% | – |
バリン | 0.68% | 0.49% | – |
粗脂肪 | 8.5% | 5.5% | – |
リノール酸 | 1.3% | 1.1% | – |
αリノレン酸 | 0.08% | – | – |
EPA+DHA | 0.05% | – | – |
リノール酸+アラキドン酸:αリノレン酸+EPA+DHA | – | – | 30:1 |
灰分(ミネラル類) | |||
カルシウム | 1.2% | 0.5% | 2.5%(※1) |
リン | 1.0% | 0.4% | 1.6% |
カルシウム:リン | 1:1 | 1:1 | 2:1 |
カリウム | 0.6% | 0.6% | – |
ナトリウム | 0.3% | 0.08% | – |
塩化物(クロール) | 0.45% | 0.12% | – |
マグネシウム | 0.06% | 0.06% | – |
鉄 | 88mg/kg | 40mg/kg | – |
銅 | 12.4mg/kg | 7.3mg/kg | – |
マンガン | 7.2mg/kg | 5mg/kg | – |
亜鉛 | 100mg/kg | 80mg/kg | – |
ヨウ素 | 1.0mg/kg | 1.0mg/kg | 11mg/kg |
セレニウム | 0.35mg/kg | 0.35mg/kg | 2mg/kg |
ビタミン類その他 | |||
ビタミンA | 5,000IU/kg | 5,000IU/kg | 250,000IU/kg |
ビタミンD | 500IU/kg | 500IU/kg | 3,000IU/kg |
ビタミンE | 50IU/kg | 50IU/kg | 1,000IU/kg |
ビタミンB1(チアミン) | 2.25mg/kg | 2.25mg/kg | – |
ビタミンB2(リホフラビン) | 5.2mg/kg | 5.2mg/kg | – |
ビタミンB3(ナイアシン) | 13.6mg/kg | 13.6mg/kg | – |
ビタミンB5(パントテン酸) | 12mg/kg | 12mg/kg | – |
ビタミンB6(ピリドキシン) | 1.5mg/kg | 1.5mg/kg | – |
ビタミンB9(葉酸) | 0.216mg/kg | 0.216mg/kg | – |
ビタミンB12 | 0.028mg/kg | 0.028mg/kg | – |
コリン | 1,360mg/kg | 1,360mg/kg | – |
※1 超大型犬の場合には1.8%
いかがでしたか…
成分値についての見方が分かると、自分の愛犬に必要なタンパク、脂肪、繊維などの量がだんだん分かってくると思います。
その為には、愛犬のコンディションを日々観察する事が大事です。
体重・毛艶・ウンチのようす・皮膚の状態など、飼い主さまだからこそ気づくことが出来るから、その子に合ったフードを選択することが出来ます!
食べるもので体は作られる!人もわんちゃんも一緒です
人は自分で食べるものを選択できますが、愛犬の場合は飼い主さまが愛犬に合ったフードを見極め、選択していく必要があります。
パッケージの文言や、ネットランキング(アフェリエトによる利益を得るために上位にランクづけしているものが多い)や獣医さんがすすめたから!ではなく正しい知識で選択していただきたいと思います。それでは、また!
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